「離れて暮らす自分の親にもしものことがあったら、実家の扱いはどうすればいいのだろう…」
そんな漠然とした不安を感じたことはありませんか?
総務省が平成30年に行った調査によると、日本の空き家率は13.6%と平成25年度から増加の一途を辿っているそうです。おそらく、これからも増え続けていくことでしょう。
空き家が増える理由は複数ありますが、近年は「親が住んでいた家が空き家になった」という例が目立っています。
様々な事情から、空き家のままでも実家を維持していきたい方もいるでしょう。
しかし、空き家をそのままにしておくとデメリットが大きいのも現実です。
この記事では、空き家を放置しておくデメリットと共に両親が元気なうちにできる対策を紹介します。
どうして実家が空き家になるのか
実家を空き家のまま放置しておくには、理由があります。ここでは、その代表例を紹介します。
壊すのに費用がかかり税金も高くなるためそのままにしている
空き家を壊すのには費用がかかります。家が大きいほど費用も高くなり、経済的な事情で壊すことができないことこともあるでしょう。
また、家が建っている土地と更地では更地のほうが固定資産税が高くなります。
そのため、節税のために空き家をそのままにしているケースもあります。
実家を売りに出したが買い手がつかない
立地があまりよくない物件は、買い手がつきづらく、あるいは買い手がついても安い価格になってしまう可能性が高いです。
他にも以下のような場合、一般的に買い手がつき難くなる可能性が高いです。
・交通の便が悪い
・地域の治安が悪い
・日当たりが悪い
・家が古く傷んでいる
家財が多すぎて処分できずに放置している
実家に物があふれかえったりしていませんか?年を重ねると、気力や体力、判断力が衰えていき、物を処分するということが億劫になりがちです。
親が亡くなった後で、遺品整理に困ることはよくあります。
近くに住んでいる場合でも、まだまだ家事に仕事に忙しい40代・50代は時間をとるのが大変です。
ましてや、離れて暮らしていたとなれば手が付けられずに、やむを得ず放置する事例も珍しくありません。
遺産相続でもめている
法定相続人同士で遺産相続の話し合いが難航している場合、決着がつくまで空き家を勝手に処分することはできません。
場合によっては年単位で空き家を放置してしまうこともあります。
空き家を放置するデメリット
維持費がかかる
誰も住んでいない家にも、毎年の固定資産税はかかります。
しかも、国土交通省のガイドラインで定める「特定空き家」に指定されてしまうと、固定資産税の優遇措置が受けられなくなるので、納める税金の額が最大6倍になる可能性があります。
また、メンテナンス費用はもちろんのこと、実家が遠方の場合は通う時間や手間もかかります。
劣化により資産価値が低下する
誰も住まなくなった家は、急速に劣化していきます。
1か月に1度は風を通したり掃除に通ったりしなければ、1年もたたずに住めなくなることでしょう。
老朽化の進んだ家の資産価値は、大幅に下落するため、とても安い価格で売りに出すか、解体をするほかなくなってしまいます。
また、一度傷んだ家を修繕し元に戻すためには莫大な費用がかかります。
犯罪の誘発
空き家は犯罪を誘発することもあります。
ホームレスが住み着いたり放火の的になったりすれば、近隣住民にも迷惑がかかるでしょう。
両親が元気なうちに対策を立てておく重要性と方法

両親が亡くならなくても介護付き老人ホームに移るなどして、家が空き家になる事も珍しくありません。実家の維持管理の方針は両親の元気なうちに対策を立てておくことが大切です。
特に、空き家にしたくない場合は、時間をかけて対策を探しましょう。以下に、対策方法の一例を紹介します。
(1)定期的に家財整理をする
親が元気に動けるうちは、定期的に断捨離を進めてもらいましょう。
実家を売却するにしても、貸し出すにしても、あなたが住むにしても家が片付いていないことには、何も始まりません。
また、親の判断能力が無くなってからだと、必要なものとそうでないものを仕分けるのにも、大変苦労します。
年末年始やお盆に帰省するタイミングで、定期的に実家の片づけを手伝うというのもいいでしょう。
(2)実家の相続人を決めておく
兄弟姉妹間で、実家を誰が相続するのか揉めることはよくあります。
特に、全員が地元を離れて暮らしているような場合、実家の相続を敬遠し合うことが多いです。
先にも述べたように、遺産相続で決着がつくまでは、空き家を勝手に処分することはできなくなってしまいます。
親が元気なうちに、それぞれの意向を確認し、相続人を決めておき、遺言を作成してもらいましょう。
(3)売却するなら早めのうちに
家は、東京・大阪など都市部でない限り経年と共に家の値段は下がります。空き家ならなおさらです。
土地に価値があっても「劣化した住宅を壊せないと売却できない」と言われてしまうこともあるでしょう。
地方の場合は土地の値段よりも家を壊す値段のほうが高くなることもあります。
まだ、家の手入れが行き届いているうちに売却したほうが値段もつきやすく、リフォームして再利用することもできるでしょう。
家を取っておくか売却するか決めかねている場合は、できるだけ早く決断を下すことが大切です。
まとめ:家が空き家になる可能性が高いうちに対策を立てよう
今回は、家が空き家になるデメリットや対策方法を紹介しました。
空き家であった期間が長ければながいほど、家は傷み取れる選択肢も少なくなります。
売却するにしても、賃貸に出すにしても、両親が元気なうちに話し合いを行って了承をとっておきましょう。
「そのうちに」と放置しておくほど問題を解決しようとする時に手間と費用がかかります。

